特集:糖尿病に効く漢方薬

牛車腎気丸

 糖尿病の治療中ですが、漢方を併用して、もっとよくなりたい。

 Qさんは、62歳の男性、会社役員。
医者から厳重な食事指導と血糖降下剤の内服を指示されています。
「失明の危険もある」と指摘され、本人は真剣に節制を始めたが症状に変化がなく、
漢方を併用して、もっとよくなりたい、と言ってきました。

 検診で10年以上前から糖尿病と指摘されていましたが、
忙しさにかまけて食事療法も運動療法もしませんでした。
2年前から「両足がしびれて、つまずきそうになり、腎障害も出て両足にむくみがある」と言います。
また視力も落ちてきたとのことで、真剣な表情でした。

 そこで、牛車腎気丸を調合しました。血糖降下剤を併用し、食事と運動療法を指示して経過をみました。
 1カ月目にはしびれ感が減り、視力も少しずつ改善してきました。
その後2年ほど漢方薬を続けていました。

 牛車腎気丸は八味丸という処方に牛膝と車前子という水分代謝の改善や鎮痛に使う生薬を調合した漢方薬です。

 紀元2世紀の漢方の成書に「消渇」という病気が出ています。
のどが渇いて水分を大量にとって尿量も多いという、
これが糖尿病に相当すると考えられます。

 そして、この「消渇」の治療に用いられていた、八味丸や牛車腎気丸が、
糖尿病の合併症である、しびれやまひなど、神経障害、腎障害、網膜症などの治療や予防に有効である。
と書かれています。

 糖尿病患者さんから、漢方でよい薬はないかと相談されますが、
「漢方薬を飲んで、すぐに血糖値は下がりません」と返事するとがっかりされます。
 しかし、漢方は、糖尿病の進行を遅らせ、恐ろしい合併症の予防に効果があります。
 ですから、漢方を併用することは、非常によいことです。

糖尿病によい漢方薬として、牛車腎気丸をご紹介しましたが、
その他、体質・症状に合わせて多くの漢方薬が使われています。
漢方薬に、お迷いの場合は、お気軽に、大山漢方堂薬局に、お電話ください!。


牛車腎気丸

■効能・効果
疲れやすくて、四肢が冷えやすく尿量減少、または多尿で時に口渇がある次の症状:
下肢痛、腰痛、しびれ、老人のかすみ目、かゆみ、排尿困難、頻尿、むくみ
■組成(含まれる生薬)
ジオウ、ゴシツ、サンシュユ、サンヤク、ジャゼンシ、タクシャ、ブクリョウ、ボタンピ、ケイヒ、ブシ末


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