このページはジャズ喫茶ファンの趣味のページです。

ジャズ喫茶を開く " Coffee & Jazz ADAMS."





  

日暮れとともに住宅街に浮かびあがったADAMS

2007年(平成19年)2月25日(日曜日) 讀賣新聞 ワイ・アンド・ワイ 日曜版 夢塾よりご紹介

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 静寂な住宅街に、突然現れる「Coffee & Jazz」の看板。一見、なんの変哲もない日本屋だが、重い扉を開くと、
巨大なスピーカーから流れる生々しいサックスの咆孔が、体めがけて飛んできた。
 福岡市城南区の熊谷孝治さん(50)が、念願のジャズ喫茶を開いたのは3年前。
勤めていた製薬会社が外資系と合併したのを機に、脱サラを決意した。「定年まで待っていたら、エネルギーがなくなる。
家族は反対したけれども、たった一度の人生、やるなら今しかないな、と思って」
 繁華街のビルならば、客足は見込めるが事務所費が高くて先行きが心配。結局、自宅を活用するのがベストと思い至った。
「若い人にジャズの素晴らしさを伝えたい」と福岡大学近くの一戸建てを購入。
防音工事などに約1000万円を投じ、1階部分を25席の店舗に改装した。
 趣味で集めてきたレコード・CD計3000枚のコレクションと、オーディオシステムをそのまま転用。
「ジャズをいい音で聴いて感動してもらい、明日への活力を養ってほしい」と、コーヒーを入れる毎日だ。
店名の「ADAMS」は、心酔するテナーサックス奏者、ジョージ・アダムスから取った。
毎朝、最初にかける曲は、「What A Wonderful World」と決めている。
 「ジャズ好きの人と話ができるし、忙しくて聞けなかったレコードにも耳を傾けられる。
売り上げさえ気にしなければ、こんなに楽しいことはないな」。
そう言って笑う熊谷さんの心を映すかのように、店内には、アダムスが切々と旋律を紡ぐ
”この素晴らしき世界”が響き渡っていた。(保井隆之さん記)


70年代の栄光は遠く-自宅を利用し節約

2007年(平成19年)2月25日(日曜日) 讀賣新聞 ワイ・アンド・ワイ 日曜版 夢塾よりご紹介

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 家族の冷たい視線を浴びながらも、こつこつとショップを巡ってライブラリーを増やし、
よりよい音を求めてオーディオに大枚を投じる。
そんな趣味を正当化できる数少ない方法が、ジャズ喫茶なのかも知れない。
 「響庵(ひびきあん)」の大木俊之助さん(74)の元にもここ数年、ジャズ喫茶開店を目指す中高年が、
ぽつぽつと訪ねてくるという。ディープなファンを自任するひとりとして、この際言い切ってしまおう。
熱心なファンはだれもがみな、ジャズ喫茶マスターへの憧れを潜在的に抱いているのだと。
とは言っても、ジャズファン人口が伸び悩む中、ジャズ喫茶全盛期の70年代のような繁栄ぶりは、
もはや期待できそうにない。「CDが気軽に買えるようになり、「響」を開いていた1964〜1993年頃とは、大きく変わりました。
ミュージシャンも、レコード会社も、雑誌社も、ジャズに携わる人たちはみな儲かってないんですよ」と大木さん。
 新しいジャズ喫茶の形として、ひとつのヒントになるのが、大木さんの「響庵」や熊谷さんの「ADAMS」、
「紅莉庵(くりあん)」のように、自宅を利用する方法だ。初期投資として、防音工事や厨房設置などの費用が必要だが、
毎月かかる事務所費を節約できるのは、大きなメリットだ。
 営業許可を取るには、店に食品衛生責任者をおかなければならないが、
「保健所が年に何回か開いている1日研修で取得できます」と熊谷さん。
コーヒー1杯で長居されると、なかなか収益は上がらない。
「でも。アルコールやフードを出すならば、材料が余ったり、調理の手間がかかることも忘れずに。
酔ったお客さんと、飲まないお客さんの両方が居心地のよい空間にするには、工夫が必要です」。大木さんの分析だ。
 熊谷さんが店に転用したオーディオ装置は、計1000万円。
「家庭では難しかった大音量を堂々と出せるようになったのも、魅力ですよ」。
オーディオファンでもある熊谷さんの言葉は、実感にあふれていた。
 まだ、レコードやオーディオは、高根の花、海外ミュージシャンの来日もままならないという時代背景が、
ジャズ喫茶という日本独特の文化を生んだと言われる。
「そんな文化をつぶさないためにも、ジャズが好きでやってみたいという人には、ぜひチャレンジしてほしいですね」。
大木さんはそう話している。


大木俊之助さん3つのアドバイス

No.1) 店に個性を

 私語禁止などの”掟(おきて)”を設けるもよし、家庭的な雰囲気を売りにするもよし。
その店にしかない個性を作ることが大切だ。学生時代、行った喫茶店の感想を手帳に記していたが、
「響」を開く時、嫌だと感じたことをクリアすればいい店になると思った。

No.2) 知識は押しつけない

 お客さんからの質問に答えられるだけの知識は不可欠。
でも、その知識を押しつけたり、ひけらかさない方がいい。
とてつもなく博識なファンが必ずいる。自分も教えてほしいという姿勢でいれば、
そうした人たちとのつながりも広がっていくものだ。

No.3) 最低でも1500枚

 開店に当たって最低限必要な、レコード・CDは、ぎりぎり1500枚。
できれば、3000〜5000枚からスタートする方が無難だ。
店を出す場所は、大学に近い方がいい。
時間に余裕のある学生を常連客にできれば、経営も軌道に乗る可能性が高い。

大木俊之助(おおきとしのすけ)さんプロフィール
1932年、東京生まれ。
1964年から1993年まで、神田神保町でジャズ喫茶「響(ひびき)」を経営。
1997年からは、神奈川県藤沢市で、”日本一小さいジャズ喫茶”「響庵(ひびきあん)」を開いている。


開店の参考になる主なジャズ喫茶

響庵   神奈川県藤沢市 пF0466-36-2482
ADAMS   福岡市城南区 пF092-801-8238
紅莉庵   埼玉県川越市 пF049-244-8384
映画館   東京都文京区 пF03-3811-8932
OCTET   山形市幸町 пF023-642-3805


2007年(平成19年)2月25日(日曜日) 讀賣新聞 ワイ・アンド・ワイ 日曜版 夢塾よりご紹介

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趣味のリンク:

@綜合藝術茶房 箱庭喫茶 「茶会記」 
〒160-0015 新宿区大京町2-4 サウンドビル1F tel: 03-3351-7904

A自家焙煎珈琲&JAZZ「だぁーちゃ」 
〒389-0115 軽井沢町大字追分1441-7 tel: 0267-45-3951

BJazz Cafe K's House   
〒413-0235 静岡県伊東市大室高原 7丁目639 tel: 0557-51-6685




資料提供:東洋医学記念館