特集:女性の不妊症と東洋医学
漢方薬と鍼灸で元気な赤ちゃんを産む!
漢方薬と鍼灸は車の両輪、
併用することで、さらに効果大、
妊娠の確立も倍増します !!!


   


特集:不妊症と東洋医学(漢方薬・鍼灸)

「大山漢方堂薬局 特集:不妊症の漢方相談」

      大山漢方堂薬局の得意とする病気、大山漢方堂薬局に漢方相談のあるご病気一覧、

  大山漢方堂薬局 漢方健康相談窓口、医学博士大山博行先生、医学博士小松靖弘先生のご紹介


   " THE KAMPO " 漢方
 漢方薬 How the Japanese Updated Traditional Herbal Medicine


                  ストレスと心の科学
    まずは、漢方で、妊娠しやすい環境を創り、不妊体質を変えます。
 「不妊症の悩み相談窓口」
             常時受付 大山漢方堂薬局 0283(22)1574
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              不妊症の悩み相談フォーム

      特集:不妊症と漢方薬 「まず、漢方で不妊体質を変え、妊娠しやすい環境を整えます。」

      特集:不妊症の治療方法と検査方法について、Q&A 

      特集:不妊症の悩み相談窓口 Q&A 「 あなたの悩みにお答えします!」

      男性の不妊症と漢方薬(強精、精子の運動能力を上げる、強い精子を沢山作る、他)

      女性の不妊症と漢方薬(無排卵、月経異常、安産、流産、逆子、抗精子抗体、よい卵子を沢山作る、他)

      特集:不妊症と子宮筋腫 「子宮筋腫を持った人の妊娠から出産まで」子宮筋腫と東洋医学(漢方薬・鍼灸)


  不妊症を乗り越える東洋医学(漢方薬・鍼灸)周期療法

    特集:不妊症に効く、漢方薬

    特集:弓帰調血飲第一加減と不妊症

    特集:女性の更年期と漢方薬

    特集:男性の更年期と漢方薬



東洋医学(漢方薬・鍼灸)で不妊症を克服する !!!

妊娠脈図(医心方巻22巻より)



永観2年(984)に丹波康頼が撲進したわが国現存最古の医書「医心方」30巻のうち、
第22巻 「婦人妊娠編」 「妊娠脈図」 妊娠各月の妊婦と胎児の姿ならびに、鍼灸の経穴が描かれている。
つまり、歴史的に見ても、東洋医学は不妊治療のノウハウの宝庫である。 大山漢方堂薬局


「 東洋医学(漢方薬と鍼灸)で不妊を乗越える女性が増えています!」

生理周期に伴って起こる、ニキビ、肌荒れ、便秘、つらい生理痛などを、
その場しのぎのケアで済ませておくのはよくありません。
繰り返す様々な症状は、身体から発せられる警告信号です。
こうした症状をほおっておくと将来、不妊症、婦人病、更年期障害になりやすいのです。
近年、大山漢方堂薬局では、東洋医学(漢方薬・鍼灸)を用いた不妊指導で、
めざましい成果をあげております。
この方法論を、一言でいえば、個人個人の生理周期に合わせた、漢方薬を調合、経絡、経穴を選択して、
女性ホルモンのバランスを整え「妊娠しやすい環境を作る」というものです。

たとえば、このような症状のある女性は、健康を保つために、重要な3つのシステム、
女性ホルモン、自律神経、代謝のバランスが乱れている状態です。
つまり、前述した婦人病になりやすい状態です。

まず、あなた自身で、チェックしてみてください!

婦人病になりやすい全身症状  計20個

 □偏頭痛
 □目の下のクマ
 □目の充血
 □頬のにきび
 □頬のシミ
 □不眠
 □唇の荒れ
 □舌の色が暗い
 □唇が紫色
 □肩こり
 □乳房のはり
 □胃下垂
 □便秘
 □下痢
 □おなかのはり
 □腰痛
 □お尻が冷える
 □むくみ
 □足の静脈瘤
 □手足の冷え

判定結果

 4個〜 7個・・・要注意
 8個〜15個・・・要相談
16個以上  ・・・要検査

婦人病になりやすい生理症状  計10個

 □生理がこない
 □生理不順
 □生理痛がひどい
 □おりものが多い
 □おりものがない
 □生理の色が黒い
 □生理がレバー様塊がでる
 □生理がだらだら続く
 □生理前緊張症が強い
 □排卵痛がある

判定結果

 1個〜2個・・・要注意
 8個〜7個・・・要相談
 8個以上 ・・・要検査

東洋医学(漢方薬・鍼灸)では全身症状と生理症状、両方をチェックして体全体のバランスを見ます。
実際に、これらを症状を分析することで、本人が気付かないトラブルが見えてきます。
これらのチェック項目は、普段何気なくいつものことと見過ごしがちな症状ですが、
判定結果が気になりましたら、まずは、大山漢方堂薬局に、お電話ください。 0283-22-1574(イゴ・不安・ナシ)

 漢方を現代病に活かす! 漢方専門 大山漢方堂薬局 WEB-Page へ、クリック!!!


東洋医学、漢方薬と鍼灸治療で、3回の流産を乗り越え、幸せな出産をされたWさんのお話(37歳)。

東洋医学(漢方薬・鍼灸)の力って凄いですね!!!
娘の顔をまじまじ見て思うのは、今、この娘に出会えたのは、漢方に出会えたおかげだなぁ!ってつくづく感じることなんです。
ベイビーちゃんに会えるまで、結構辛い時期もあって、落ち込むこともありました。
私は、習慣性の流産で、妊娠はしてもすぐ流産してしまう、そんな状況が3回も続きました。
病院の不妊治療にも、ほどほど疲れて、体だけでなく、精神面もぐったり来ていました。 
ひどいうつ状態で、何もやる気もなくなってしまったのです。
これ以上、不妊治療、検査を続けていくのが、本当のところ恐くなっていました。
夫婦だけの生活もいいかなと諦めかけていました。
それで、インターネットで、大山漢方堂薬局、大山先生を知り、ご相談してみました。
大山先生は、まず精神面から、元気な自分を取り戻す、そして、何より、漢方でじっくり体質改善をしてもらいましょう!と言ったのです。
先生は、流産の手術で、私の子宮内膜が薄くなっている状態が考えられるので、まず、漢方と鍼で、心身のバランスを整える、
すなわち、女性ホルモン、自律神経、代謝の3つのバランスを整えて、ベイビーちゃんが、ちゃんと成長していき、無事出産できる、
そういう、しっかりとした環境を作りましょう! ということでした。
その後、3種類の漢方薬を飲み始め、2週間に2〜3回の割合で鍼治療を受けました。その間、今までに感じていた精神面での悩み事も先生に、しっかり聞いていただきました。 そんな状態で、す〜と、3ヶ月がたちました。
その後、妊娠が確認されましたが、その時は、また、流産するのではないか、このまま、本当に我が子を抱けるのか不安でしたが、
大山先生に、「1週間に1回、お話にいらっしゃい」と言ってもらって、すごく安心できました。
お言葉に甘えて、心細くなったときは、先生にお話を聞いてもらいながら、「安胎(安産)の刺さない鍼治療(てい鍼療法)」をしてもらい、
それから、かるいつわりやお腹が張った時も、そのつどお伺いし、症状、状態を見てもらい、漢方を調合、刺さない鍼治療をしてもらいました。
今にして思えば、これが、とても心強かったです。 出産してみれば、思ったよりつわりも少なく、一応、安産と呼べる状態で出産できました。
これからも、いろいろと健康面でも相談できる場所が見つかって本当に嬉しいです。
大山先生、本当にありがとうございました。


特集:不妊症と東洋医学(漢方薬・鍼灸)

はじめに、

女性には、本来、妊娠・出産する力が備わっている。
しかし、種々の原因で不妊になる女性が約10%いる。
原因は女性だけでなく、男性にもあり、その比率は約30%に達する。
今回は、特に、女性の不妊症と東洋医学(漢方薬・鍼灸)について解説する。

東洋医学では、女性の不妊症を「不孕」「絶産」などと記載し、古くからその存在を明確に認識していた。
さらに、男性の不妊症の存在も記載されている。

東洋医学(漢方薬・鍼灸)では、不妊症の基本原因を、「腎気」に求め、肝欝、於血、痰湿も、さらに必須原因とした。
腎気不足は、すなわち生殖機能の低下、さらに、肝欝を精神的ストレス、於血を血流障害、痰湿を消化機能障害ととらえる。
つまり、その内容は、現代医学(産婦人科)においても、容易に理解できるものである。

また、東洋医学(漢方薬・鍼灸)での不妊治療の原点は、全人的な治療、アプローチ、
すなわち妊娠、出産に必要な体力作り、妊娠できる体内環境作りを示したものである。
つまり、現代医学でいう、機能性不妊症に対して、東洋医学(漢方薬・鍼灸)の効果が大であることを示唆している。

その中で、特に東洋医学(漢方薬・鍼灸)の効果が期待できるのは、
@「卵、胚の質の改善」 A着床側の「子宮内膜の環境の改善」 である。

東洋医学(漢方薬・鍼灸)で、「妊娠をしやすい体をつくり」、それと併用して、西洋医学の治療を行えば、さらに効果的である。
東洋医学(漢方薬・鍼灸)を、現代の不妊治療に併用すれば、
ホルモン療法、高度生殖医療に係わる副作用や精神的、肉体的ストレスから、
患者さんを守り、患者さんの負担を少なくし、できるだけ早く妊娠に結び付けられる。

漢方薬と鍼灸治療を行うことで、より子宮内膜の形状、環境が改善されれば、妊娠する可能性も上がる。
実際に、漢方薬、鍼灸治療で、成功する例は、特に、不定愁訴の改善が見られる患者さんに、妊娠する確立が高い。
つまり、東洋医学(漢方薬・鍼灸)の治療は、不定愁訴の改善が妊娠を成功させる指標、要因である。と考えられる。

私の経験した不妊症克服例、妊娠、出産成功例では、
子宮機能低下の最たる原因として「血流不全」を、調合漢方薬(駆於血剤)、
鍼灸治療(下腹部、腰部、臀部の重要穴刺鍼)で改善させ、難治性不妊症患者さんの妊娠-出産を成功させた。
さらに、漢方薬、鍼灸治療を、現代医学のホルモン療法(排卵誘発剤投与など)に併用すると
その副作用が軽減改善され、妊娠する確立もあがる。

少子高齢化が進む我が国において、子どもの減少は極めて深刻な問題である。
今年の子供の日に発表されたデータをみると減少化がますます進み、
25年連続の低下であり、増加は望むべきもない。
しかし、不妊に悩んでいる夫婦は確実に増加している。
高度生殖医療の導入などによる最先端医療の導入が進んではいるものの、
それにも限界がある。そうした状況において、東洋医学(漢方薬・鍼灸)の方法論、
王道である「妊娠できる環境、体づくり」の視点は、温故知新、非常に重要と考えられる。

 調合漢方薬で妊娠しやすい環境を作ります。


特集:不妊症に効果的な鍼灸治療

避妊しているわけでもないのに、結婚して2〜3年たっても子どもができない場合は、不妊症を疑います。
精子の異常など、男性側に原因がある場合もありますが、
女性側の原因としては、卵巣、子宮、ホルモン分泌などの異常が考えられます。
婦人科系の臓器に障害がない場合でも、虚弱体質や冷え症の人などに多くみられます。
婦人科系の症状があると背中や足腰が冷えてこりやすいので、
まずは背中や足腰の各ツボを指圧し、マッサージをおこないます。お灸も効果的です。
とくに胞肓、復溜、三陰交は、下半身の冷えをとり、月経周期を順調にする効果が高いツボです。
中完から中極にかけての腹部の各ツボが重要です。
中完から中極にかけての腹部の各ツボをやさしく指圧し、
腰骨に沿って下腹部のよくマッサージします。

@胞肓(殿部の平らな骨(仙骨)にある上から2番目のくぼみの指幅3本分ほど外側にあります)
 → 腰の冷えをやわらげ子どものできにくい体質を改善する効果があります。
うつぶせに寝た患者さんの腰に両手のひらをつき、お尻をかかえるようにして左右のツボを、
親指でやや力をこめて押す。これは腰のだるさや冷えをやわらげるのに効果的です。
指圧やマッサージの前によく温めるとさらによく、子どものできにくい体質を改善する。

A三陰交(足の内くるぶしから指幅3本分ほど上のところにあります)
 → からだの冷えをおさえ下腹部の不快な症状をやわらげる効果があります。
患者さんのツボの位置に親指を当てて、患者のすねを手のひらで包むようにして親指に力をこめる。
からだが冷えると婦人科系の病気が悪化しやすくなりますが、
この刺激が冷えをおさえ、下腹部の突っ張るような不快感もやわらげます。

B復溜(内くるぶしの中心から指幅2本分ほど上にあります)
 → 足の血行を良くし不妊症の原因となる冷えをなくす効果があります。
足首を手のひらで包むようにして、しっかりと親指で指圧する。
ぐいぐいと押しもむようにしてもよい。
これは、足の血行を促進し、冷えを和らげる効果があります。
ほかの足の各ツボも同様に押しもんでおくと、さらに効果的です。


特集:不妊症の検査と治療

不妊症の定義

妊娠を望み2年以上夫婦生活を営んでいても妊娠に恵まれない場合を不妊症と呼ぶ。
避妊しなければ2年以内に約90%の人が妊娠しますから、約10%の人が不妊症ということになる。
普通の夫婦は、最初の1年で80%の人が妊娠します。そして次の1年で妊娠する人は10%に過ぎません。
そのため私は、1年経っても妊娠されない夫婦には、まず、漢方専門大山漢方堂薬局に
漢方健康相談されることを勧めています。

不妊症の中で、一度も妊娠したことのない人を原発性不妊症、
妊娠の経験があるもののその後妊娠しない人を続発性不妊症と呼びます。


不妊症の原因

不妊症の原因としては下記のように様々な原因があります。
しかし、実際には、不妊症の患者さんの約90%は原因不明の機能性不妊症です。
そして、その80%以上が体外受精を行わないと赤ちゃんが得られないのが実情です。
ですから、私は、まず、第一に、東洋医学(漢方薬・鍼灸)の力を試して、自然妊娠を試みることが重要と考えます。
東洋医学と併用して、体外受精を行えば、妊娠する確立もあがり、奥様の体への負担も最低限ですみます。

主な不妊症の原因

 1)射精で膣内に十分な運動精子を供給できないとき
 2)精子が頚管粘液の中を通り子宮頚管へ進入できず、子宮の中に精子が供給できないとき
 3)精子が子宮内腔を通過して、受精をする場所である卵管までいかないとき
 4)卵巣内で卵胞が順調に育たないとき
 5)卵胞の破裂(排卵)が順調に起こらないとき(黄体化非破裂卵胞:LUF)
 6)排卵後に残った卵胞の細胞から正常な黄体が形成されないとき
 7)卵子が卵管の口(卵管采)に取り込まれないとき(ピックアップ障害)
 8)卵子と精子が融合(受精)しないとき
 9)受精卵(胚)が順調に分割しないとき
10)胚が子宮腔に運ばれないとき
11)胚が子宮内膜に着床しないとき


不妊症の検査項目

あたりまえの話ですが、検査だけでは妊娠しません。
ですから、普通は、必要最小限の検査しか行いません。
検査では、女性側、男性側、両者に対する検査があります。

[女性側]

@基礎体温

A頚管粘液検査
排卵日に近くなると頚管粘液は量が増え、糸を引くようになります。

Bフーナーテスト(性交後テスト)
頚管粘液内への精子の進入状態を検査する方法
(抗精子抗体のスクリーニング検査)

C超音波検査(経膣超音波検査)
卵巣内の卵胞(卵子を含んでいる液体の袋)の発育程度により排卵日を正しく推定することが可能です。

Dホルモン測定

Eソノヒステロ
子宮内腔に生理食塩水を注入し、子宮内膜の乱れや内膜ポリープの有無を経膣超音波下に観察します。

F卵管通水検査
レポビストという薬剤を用いて、経膣超音波下に卵管の通過性を観察する検査で、外来で簡単に行うことが可能です。

G子宮卵管造影(ヒステロ)
卵管の通過性、卵管采周囲癒着の程度を知ることができます。

H腹腔鏡検査
お腹に小さい切開を入れ腹腔鏡を挿入し、卵管、子宮、卵巣の状態を直接肉眼で観察します。

I抗精子抗体
抗精子抗体は血液検査で、難治性不妊症の人の約10%が陽性であるといわれています。
陽性の場合は女性の体の中で受精は不可能ですので体外受精の適応となります。

Jクラミジア抗原抗体検査
卵管障害などの炎症による原因を推測する。

K腫瘍マーカー

L子宮鏡検査
膣、子宮頚管より、ファイバースコープを挿入し、
内膜下筋腫の有無、子宮内腔の癒着、内膜ポリープの有無、
内膜の発育状態を観察する。

M子宮内膜検査
子宮内膜を試験的に採取することにより、ホルモンバランスの崩れ、黄体機能不全を診断できます。

N感染症検査
梅毒、淋病、クラミジアなどの性感染症やウイルス検査を行います。

O代謝異常検査
血糖値や甲状腺機能を測定することにより、不妊症、不育症のリスクを検討します。

P抗核抗体、抗リン脂質抗体(APS)検査


[男性側]

@精液検査
2日〜3日の禁欲期間の後に、自宅あるいは病院で精子をとってもらい顕微鏡で観察します。
(WHOの正常値は、精液量2ml以上、精子濃度2000万匹/ml、精子運動率50%以上、奇形率30%以下)

A精子の形態検査(クルーガーテスト)
精子の形態を見る検査、精子の奇形性と受精能力を推定。

B男性ホルモン値測定
精液検査で無精子症がわかった場合、ホルモン検査(FSH、LH、テストステロンなど)を行います。
ホルモン検査の結果により閉塞性無精子症か造精障害かを判定できます。

C精巣上体穿刺
精巣上体に針を刺し精子の有無を判定します。
閉塞性無精子症の場合はほぼ100%精巣上体より精子が回収されます。
そして、精子がいればそのまま凍結保存。

D精巣生検
精巣より組織を採取し、精子がいれば凍結保存し、後述の顕微授精を行います。


[夫婦間]

@染色体検査
夫婦の血液を採取し染色体を検査します。
通常、男性は46XY、女性は46XXとなります。

A混合リンパ球培養試験(MLC)、遮断抗体
HLA抗体検査に代わる方法
習慣性流産の検査項目としてMLCと遮断抗体(妻血清におけるMLC抑制率で判定)を測定。


特集:現代の不妊治療

不妊症治療における一般的な治療法と高度生殖医療について、

まず一般的な検査の結果を見て、

1)排卵はきちんと起こっているか、黄体期にきちんとなっているか?
2)卵管の通過性があるか?
3)精液検査の結果が正常か?
4)フーナーテストの結果が正常か?

以上の4つの条件がすべて正常な場合に、一般的な治療方針を立てる。

基本的に、フーナーテストの結果を最重要視して治療計画を立てる。
排卵の最も良いタイミングで性交をしてもらい、頚管粘液への精子の進入の状態を観察する。
精子が十分に進入している場合はタイミング指導を行う。
フーナーテストの結果が悪い場合は女性側の体における精子に対する抗体の有無を検査する。
陽性の場合は免疫性不妊症で直ちに体外受精を行う。
抗体が陰性の場合は子宮内に精子を注入する人工授精を行う。

夫婦の年齢にもよるが、約半年から1年の一般不妊治療の後、
それでも、不妊の場合に、体外受精などの高度生殖医療にステップアップする。

原因不明の不妊症の約90%が高度生殖医療の適応となる。

[女性側]

@タイミング指導
治療歴がなく、年齢が35歳以下の場合、まず約6〜12ヵ月のタイミング指導を行う。
超音波による卵胞計測、ホルモン値の測定、子宮内膜の測定、排卵後の黄体機能不全の有無、
LUF(黄体化非破裂卵胞)の有無について注意深く観察しながら、性交のタイミングを取っていく。

35歳以上の場合、患者が積極的な治療を希望している場合は、3〜5回ぐらいでステップアップする。

A薬物療法(排卵促進と黄体機能不全の是正)
タイミング指導中に卵胞の発育が悪い場合、
月経開始より18日目を過ぎても卵胞径が18oを超えない場合、
子宮内膜が厚くならない場合、
黄体期中期の黄体ホルモンの値が上昇しない場合に、
薬物を使用する。

[男性側]

@薬物療法
通常、ビタミン剤、ホルモン療法を行うが、未だ決定的な精子の改善薬は存在しない。
A人工授精(IUI、AIH)
フーナーテストが不良、抗精子抗体が陰性、軽度の乏精子症の場合が適応。
(注意)人工授精は、採取した精子を子宮腔内に注入しているだけで、実際に受精させているわけではない。


機能性不妊症(原因不明不妊症)
→東洋医学(漢方薬・鍼灸)の効果大

夫婦の不妊期間を重要視するが、年齢的なものを最重要視し治療計画を立てる。

年齢を重要視する理由
@年齢とともに取れる卵の数が減る
A卵自体の機能が下がる。
B高年齢の人には、妊娠、出産の時間的な猶予がない。

1)精子と卵が出会えない状態
排卵した卵は、卵管の先端の卵管采でピックアップされるが、
その卵子の格好が悪かったり、卵巣と卵管采との位置関係がずれている場合などにピックアップ障害が起こる。
このピックアップ障害によるものが機能性不妊症の原因の約80%以上になるといわれている。
→東洋医学(漢方薬・鍼灸)の適応、効果大

2)精子の受精障害
精子と卵子が出会うと、通常成熟卵の場合、60〜70%受精するが、
実際に体外受精をしてみると、約10〜15%に受精障害が出現する。
精子の濃度、運動率のほか、外からの検査ではまったく異常がないにもかかわらず、
全く受精しない夫婦もある。→東洋医学(漢方薬・鍼灸)の適応、効果大

3)卵の状態が悪い場合
年齢的な問題で、35歳を超えると、年齢とともに卵の質が悪くなる。
子宮内膜症、多嚢胞性卵巣症候群、骨盤腹膜炎の既往などの場合も卵の質が悪くなる。
排卵誘発剤の乱用(HMG−HCG療法の1年を越える継続治療歴ありの場合)
→卵巣自体の機能低下、感受性の低下が、間違いなくある。→東洋医学(漢方薬・鍼灸)の適応
さらに、卵自体の質も悪くなる。→東洋医学(漢方薬・鍼灸)の適応、効果大

フーナーテストの結果に異常がないにもかかわらず、
タイミング法で妊娠をしない場合は、→東洋医学(漢方薬・鍼灸)の適応、効果大

人工授精の場合も同様に、
的確なタイミングで人工受精をしているにもかかわらず妊娠に至らない場合は、
→東洋医学(漢方薬・鍼灸)の適応、効果大

(注意)人工授精は、採取した精子を子宮腔内に注入しているだけで、実際に受精させているわけではない。
→東洋医学(漢方薬・鍼灸)の適応、効果大


特集:「冷え性」と東洋医学(漢方薬・鍼灸)

       

漢方専門 大山漢方堂薬局 大山鍼灸院併設
特集:東洋医学(漢方薬、鍼灸)で治す冷えの悩み
女性の病は、すべて、「冷え」から始まる!?
冷えは、不妊症の原因にもなります!

冷え症 → 東洋医学(漢方薬・鍼灸)の効果大で、
大山漢方堂薬局、大山鍼灸院の得意な分野です!
どうぞお気軽にご相談ください!

大山漢方堂薬局の調合漢方薬は、
特に、冷え性の患者さんに、評判がよく、使用する漢方薬も多数あります。

西洋医学には、「冷え性」という病気はありません。
何らかの原因となる病気があり、その影響で冷えが起こるような場合は、
冷え性の原因となっている病気の治療が最優先されます。
原因となっている病気が治癒すれば、冷えも改善されます。

東洋医学(漢方薬・鍼灸)のいう、いわゆる「冷え性」は、特別な病気がないのに手足などが冷えるもので、
はっきりした「病態、病気」がないため、西洋医学では、十分な対応ができません。

冷え症は、東洋医学(漢方薬、鍼灸)の得意とする分野で、
大山漢方堂薬局でも、これまでに多くの患者さんに、
調合漢方薬を服用していただき効果をあげてきました。

東洋医学では、冷え性は、「於血(おけつ)」と「水毒」でおこると考えています。

漢方では、冷え症を、
@全身的な冷え、
A胃腸機能の低下に伴う「水毒」による冷え、
B「於血」による冷え、
C「気逆」による冷え・のぼせ、」
などに大別します。

全身的な冷えは、体全体の新陳代謝が低下し、脈も弱く、青白い顔をしているような人に多く、男性や高齢者などにもよく見られます。
「水毒」による冷えは、胃腸虚弱で腹部にポチャポチャ音などがあるもので、やはり男性にもみられます。
「於血」による冷えは、胃腸が丈夫で便秘傾向のある女性に多く見られます。
「於血」症状は、「血」が停滞しておこるもので、日本では昔から「古血」などとも呼ばれました。

西洋医学的には、ホルモン・バランスや、血流の分布を調節する血管運動神経のバランスが乱れておこるものとみなされます。
「於血」の場合は、下腹部に抵抗感と圧痛があるのが普通で、このような人の冷えでは、のぼせや動悸などを伴うことが少なくありません。
また、「気逆」による冷えも、冷えとのぼせが混在しています。

大山漢方堂薬局では、冷えのタイプをみて、漢方を調合します。

@比較的体力がある人の冷えは、「於血」によるものが多いです。

冷え性で、比較的体力があり、下腹部に抵抗感と圧痛があり、のぼせ・肩こり・月経異常などを伴う時は桂枝茯苓丸が効果的です。
同様の症状が強くて、便秘や不安・不眠などがあれば桃核承気湯が効果的です。
体力が普通の場合で、冷えとのぼせが混在していて、
下半身の冷えと上半身ののぼせ・腰痛・筋肉痛などがあれば五積散が効果的です。
また、冷え・のぼせ以外の不定愁訴も目立っている更年期の女性なら加味逍遙散が効果的です。

体力がない「虚証」の患者さんでは、
@「於血」に「水毒」が絡んだ冷え症、
A「水毒」が強い冷え症、
B全身的な冷え症が多くあります。

「虚証」の患者さんの「於血」では、

@下腹部痛がみられることが多く、これに冷え症・貧血・疲労感などがあれば 当帰芍薬散が効果的です。
A冷え性・月経不順・手のひらや足裏のほてり・皮膚の乾燥などがあれば温経湯が効果的です。
B「水毒」が強い患者さんで、腰以下の冷えが強くて尿量が多ければ苓姜朮甘湯が効果的です。
C冷えに関節痛を伴っていれば桂枝加朮附湯が効果的です。
Dまた、全身的な冷えで、腹痛・頻尿・下痢やめまい・動悸があれば真武湯が効果的です。
E腹痛・腹部膨満感などがあれば大建中湯が効果的です。
F高齢者で特に下半身が冷えるような患者さんには、八味地黄丸が効果的です。

漢方専門 大山漢方堂薬局 「冷え症」を東洋医学(漢方薬・鍼灸)的に分類する

冷え症のタイプ

@全身的な冷え症 → 全身の新陳代謝の低下によるもので、脈が弱くて青白い顔の人や、高齢者などに多い冷え。
A水毒による冷え → 胃腸機能の低下に伴うもので、腹部のポチャポチャ音などがある人。
B於血による冷え → 「血」の停滞によるもので、下腹部に抵抗感と圧痛があり、のぼせや動悸を伴うことが多い冷え。
B於血による冷え → 胃腸が丈夫で便秘傾向のある女性などにも多い冷え。
C気逆による冷え → 「気」が逆流して上昇する気逆によるもので、冷えとのぼせが混在することが多い。

大山漢方堂薬局 得意な冷えの症状 → 東洋医学(漢方薬・鍼灸)の効果が特に大です!!!

@手足の冷え、A全身の冷え、B腰や下半身の冷え、Cのぼせ・倦怠感などをともなう冷え → 東洋医学(漢方薬・鍼灸)の効果大です!

体力がなく、疲れやすい、虚証の患者さんで、高齢者で特に下半身が冷える場合は、八味地黄丸が効果的です。
体力がなく、疲れやすい、虚証の患者さんで、腹痛・腹部膨満感をともなう冷えの場合は、大建中湯が効果的です。
体力がなく、疲れやすい、虚証の患者さんで、全身的な冷え、腹痛・頻尿・下痢・めまい・動悸をともなう冷えの場合は、
真武湯・桂枝人参湯が効果的です。
体力がなく、疲れやすい、虚証の患者さんで、関節痛・むくみをともなう冷えの場合は、桂枝加朮附湯・防已黄耆湯が効果的です。
体力がなく、疲れやすい、虚証の患者さんで、腰以下の冷えが強く、尿量が多い場合は、苓姜朮甘湯・当帰四逆加呉茱萸生姜湯が効果的です。
体力がなく、疲れやすい、虚証の患者さんで、手のひらや足裏のほてり・皮膚の乾燥・月経不順をともなう冷えの場合は、温経湯が効果的です。
体力がなく、疲れやすい、虚証の患者さんで、貧血・顔色不良・疲労感・下腹部痛をともなう冷えの場合は、当帰芍薬散が効果的です。
 
体力ふつうで、中間証の患者さんで、冷え・のぼせ以外の不定愁訴が多い場合は、加味逍遙散が効果的です。
体力ふつうで、中間証の患者さんで、下半身の冷えと上半身のぼせがある場合は、五積散が効果的です。
 
体力があり、胃腸も丈夫な、実証の患者さんで、のぼせ・肩こり・便秘・不安・不眠・下腹部に抵抗感と圧痛があれば、桃核承気湯が効果的です。
体力があり、胃腸も丈夫な、実証の患者さんで、のぼせ・肩こり・月経異常・便秘がなく、下腹部に抵抗と圧痛があれば、桂枝茯苓丸が効果的です。

高度生殖医療

一般的に、現代医学的な不妊治療を開始した夫婦で妊娠に至る人は40%以下である。
そして、その成功例の大部分の夫婦は1年以内に妊娠している。
1年間不妊治療専門クリニックで治療しても妊娠に至らない場合は、→東洋医学(漢方薬・鍼灸)の適応大

[体外受精胚移植]

卵と精子を体外で出会わせ(受精)、受精した卵(胚)を子宮内に移植する方法。

以下の過程を行う。

@採取
卵を採取することを採卵という。
経膣超音波下に長い針で卵胞液を吸引し、
顕微鏡下で卵を回収する。

A採精子
精子を回収することを採精子という。
回収された精子は回収部位により、
射精精子、精巣上体精子、精巣精子といわれる。

B体外受精胚移植の具体的な方法
排卵誘発法としては、クロミフェン‐HMG‐GnRHaを用いて排卵誘発を行う。
GnRHaで内因性のLHサージを誘起後36時間後に採卵をする。
採卵された卵は約3時間前培養する。
その後、精子と卵子を出会わせる媒精を行う。


[顕微授精(ICSI)]

重症男性不妊症、体外受精で受精障害がある場合などで受精を成立させるために、
顕微鏡と顕微授精装置を用いて透明帯を貫いて人工的に受精を促す方法がある。
これを顕微授精という。

@方法
ICSIとは、1匹の精子を細いガラス管で卵の細胞の中に直接注入する方法。
A適応
重症男性不妊症が適応。
前述の体外受精で受精障害が出現した場合もICSIの適応となる。
B成功率
1992年にベルギー自由大学で成功以来、受精率は向上し、現在では80%を超える受精率にまで向上し、
妊娠率は通常の体外受精と変わりがないところまで技術は進歩してきた。


高度生殖医療の特殊技術

1)胚凍結保存、融解胚移植
胚の凍結保存は、1983年にオーストラリアで成功して以来、
様々な改良が加えられ胚の無傷率、回収率とも向上し、確立された方法になってきた。

余剰卵の有効的な利用のほかに、子宮内膜と胚の進行の同調性を高める目的で
胚盤胞移植などで積極的に凍結融解胚移植を行う。
方法としては自然の排卵後に移植する方法と
ホルモン剤を使用して人工的に子宮内膜を作成し移植を行うHR周期がある。

2)AHA(着床補助操作)
胚は透明帯の一部がハッチングして子宮内膜に埋もれこむように着床する。

3)胚盤胞移植(BT)
近年、培養液の研究が進み、複数(2〜3種類)の培養液を使い分け、
高い確率で質の良い、胚盤胞をつくることが可能となってきた。
胚盤胞移植の適応は卵管が機能的に障害されている患者さんのみと考えられる。

4)凍結融解胚盤胞移植(HR−BT)
胚盤胞移植に凍結の技術とホルモン補充療法を併用することにより、
胚移植日を設定後に融解日を決めることができるため胚を通常より早く融解することが可能となる。


特集:不妊症と東洋医学(漢方薬・鍼灸)

医心方巻22 「妊娠脈図」



永観2年(984)に丹波康頼が撲進した、わが国、現存最古の医書「医心方」30巻のうち、
第22巻 「婦人妊娠編」 「妊娠脈図」 妊娠各月の妊婦と胎児の姿ならびに、鍼灸の経穴が描かれている。
つまり、歴史的に見ても、東洋医学は不妊治療のノウハウの宝庫である。 大山宗伯

大山宗伯(二代目)所蔵 「医心方1000年のあゆみ」より引用

  「不妊症の鍼灸治療」

大山鍼灸診療医典 大山宗伯著


特集:東洋医学(漢方薬、鍼灸)で治す「不妊症」

不妊症 → 実は、東洋医学(漢方薬・鍼灸)の効果大です!
大山漢方堂薬局、大山鍼灸院の得意な分野です!
是非、ご相談ください。

@普通に生活していて、2〜3年間たっても、お子様が出来ない場合は、
まず専門的な検査をやってみましょう!

A不妊症には、さまざまな原因があります。

原因が女性側にある場合
@子宮発育不全・子宮頸部狭小・子宮内膜炎・卵管通過障害・卵巣腫瘍や
その他のさまざまな障害・病気が関与していることがあります。

専門医のいる病院(産婦人科)で、適切な不妊症の検査を行って、
何らかの身体的な異常(器質的異常)が認められた場合は、
西洋医学的な治療を優先するのがふつうです。

東洋医学(漢方薬・鍼灸)は、
どこにも身体的な異常がないのに、
なかなか妊娠しない「機能的な不妊症」に、一番効果を発揮します!!
 → 東洋医学(漢方薬・鍼灸)の効果大です!

不妊症の漢方薬では、当帰芍薬散が最も有名ですが、
この処方は「虚証」タイプで冷えが強く、
腹部のポチャポチャ音がある場合などに用います。
当帰芍薬散は、月経異常がある人の不妊症にも効果的です。

「中間証」の場合は、加味逍遙散や折衝飲、芍薬甘草湯なども効果的です。

「実証」の場合は、頭痛・のぼせ・下腹部の抵抗感と圧痛などがあれば桂枝茯苓丸が効果的です。

漢方専門 大山漢方堂薬局では、
あなたの体力、症状にあわせて、最も適切な漢方薬を調合いたします。
どうぞ、お気軽にご相談ください。

たとえば、

大山漢方堂薬局で、不妊症に効果を上げている、一般的な漢方薬をご紹介します。

@実証で、下腹部の抵抗感と圧痛・のぼせ・月経異常があれば、桂枝茯苓丸が効果的です。
A実証で、臍下の圧痛・便秘傾向・月経痛が強い場合は、桃核承気湯が効果的です。
B中間証で、のぼせ・食欲不振・肩こり・月経異常があれば、加味逍遙散が効果的です。
C中間証で、臍下の抵抗感と圧痛・月経痛が強い・腹痛があれば、折衝飲が効果的です。
D中間証で、けいれん性疼痛・腹部痛・月経痛があれば、芍薬甘草湯が効果的です。
E虚証で、冷え・腰痛・胃部のポチャポチャ音・月経異常があれば、当帰芍薬散が効果的です。
F虚証で、冷え・腰痛・胃部のポチャポチャ音・月経異常、皮膚乾燥・胃腸虚弱があれば、温経湯が効果的です。
G虚証で、疲労感・低血圧・たちくらみ・顔色不良があれば、補中益気湯が効果的です。
H虚証で、胃腸虚弱・月経異常・手足の冷えがあれば、人参湯が効果的です。


不妊症と東洋医学(漢方薬・鍼灸)

東洋医学の産婦人科

東洋医学の産婦人科分野は比較的早い時期から分科されていた。
例えば、巣元方の『諸病源候論』(610年)の50巻中4巻には、
月経不順・月経過多・月経痛・白帯・子宮脱・乳癰(乳腺炎)・悪阻・難産などの「婦人科」の疾病が述べられている。
また、『備急千金要方』(650年)の「産婦人科門」には、求子(治不妊)・妊娠・産育・産後・月経・帯下・ちょうか(腹腔内のしこり)
などが述べられている。『中国医籍通考』には、『黄帝素問女胎』、『張仲景療婦人方』、『産宝』、『産経』、『婦人方』、『婦人良方』など、
400篇以上の産婦人科専門書が見られるが、後代への影響の大きさを考えると、
徐之才の『逐月養胎方』(6世紀)やサン殷の『産宝』(859年)、陳自明の『婦人大全良方』(1237年)などが重要である。

東洋医学の不妊について

1)不妊に関する古典
不妊に関しては、『山海経』、『神農本草経』、『脈経』(280年)、
『備急千金要方』(650年)、『十産論』(1098年)、『婦人大全良方』(1237年)などに見られ、
不孕、求子、求嗣、絶産、絶嗣、絶子、無子などと言われる。

2)不妊の原因
まず、不妊の原因は東洋医学ではどのように考えられているのであろうか?
後に、腎虚の項で述べるが、『素問』上古天真論篇第一に見られるように、
人間の一生における肉体の変化は、腎気(腎精、精気)の盛衰によると考えられている。
それは、妊娠と関係が深い月経に対する考え方にも表れている。
古典では、月経のことを月事、月信、月水、月行、天癸などと称すが、
月経は、腎気が盛んになって天癸が至り、任脈と太衝の脈が盛んになることで定期的に訪れると考えられている。
すなわち、腎気が盛んであることがまず正常な生理に大事なことであり、
腎気が妊娠、裏返せば不妊にも関係が深いと考え、
腎気の不足を不妊の第一と考える。
また、孫思バクは、『千金要方』の中で、男子の「精気衰少」が原因の場合と
女子の「虚ルイ百病」が原因の場合に分けて処方を述べている。
『中医産婦人科臨床』では、不妊は、腎虚、肝鬱、胆湿、血於が原因とされる。
また、『中医診断と治療』では、
腎虚、気血両虚、陰虚血熱、肝気鬱結、痰湿、血於湿熱の6種類を「弁証分型」としてあげている。
一方、日本では、腎虚、肝欝、於血、水毒などの分類がこれまでは一般的な原因とされてきた。
このように日本と中国の原因分類を考えると、
不妊の原因は、腎虚、肝欝、於血、痰湿に集約される。
以下、この4分類について説明する。また、その後、男性不妊についても補足する。

@腎虚

東洋医学の成典『黄帝内経素問』上古天真論篇第一に、人間の一生の肉体の変化が述べられている。

女性は7歳ごとに更年する(身体が変化していく)と説明し、
「7歳で、腎気が盛んになって、歯が生え替わり、髪が長くなる。14歳になって、
(腎気が盛んになって)天癸が至ると、任脈が通じて、
衝脈が盛んになり、月経が定期的にあり、子どもをつくることができる」としている。
そして、28歳が最も身体が充実している時期で、
49歳になると(腎気が衰えて)天癸がつきて、
月経がなくなり、子どもをつくることができなくなると、
閉経期まで説明が進む。

また、男性は8歳ごとの変化で説明されているが、
「16歳で、腎気が盛んになって、
天癸が至ると、精気が溢れて射精するようになり、
子供をつくることができるようになる」 とある。
このように、腎気は、男女を問わず、人間の成長を軸とする生命現象の基本要因である。
だから、腎精が不足すると、身体および生殖器の発育不全、生殖機能の異常、
生命力の低下、老化の早期化などが起こる。

女性に関しては、月経や閉経などの産婦人科の諸現象は、腎気の機能の変化の結果とされる。
このため、不妊の原因の一番に、腎気の問題があげられる。
要するに、腎の機能的な、あるいは器質的な力が十分でない状態である腎虚が、
不妊の第1の要因とされるのである。

「腎虚」をさらに「腎の陽虚」と「腎の陰虚」に分けているものもある。
陽虚は、主に機能的な働きの低下を指し、排卵がない、黄体機能不全、無月経、四肢の冷え、寒がりなどの状態が考えられる。
陰虚は、陰液の働きの低下であり、子宮頚管あるいは卵管の粘液分泌不足という体液性の問題が子宮等で起こっていることを想定する。

A肝鬱
肝鬱は、精神的ストレスや怒りや長期の鬱々とした気分などが原因となって、肝の疏泄機能が阻害されて発症するものである。
この場合、気鬱や気滞となるので、精神状態がなかなか改善されず、
それがさらに肝機能を阻害し続けるといった状態を長期化させることになりやすい。
鬱状態や怒りの状態のみでなく、胸悶や胸脇苦満なども現れる。
さて、肝は、「血を蔵す」というように、血と深い関係にある臓と考えられているので、
肝気の欝滞により気血の流れがうまくいかず、衝脈や任脈の働きが悪くなることによって、
月経異常や無月経、無排卵、卵巣機能不全、切迫早流産、乳房脹痛などが発症する。

B於血
於血は、血の運行失調により発症する病態である。
血の滞りを意味し、中国では血於という。
原因として、気滞や気虚、長期の寒性の変調や外傷による血の運行失調、打撲や捻挫などによる血の欝滞がある。
於血は、全身の様々な所見や症状に表れる。
逆に言えば、全身の様々な血流状態の問題を総合して於血か否かが判断される。
ところで、於血の証の1つである腹部深部の硬結あるいは硬い固まりは、婦人科や泌尿器科の諸問題と深い関係にある。
この腹部所見は特徴的であるので、「全身的な血の滞りを意味する」
於血という言葉が、「腹部の臍周囲の固まりのみを意味することば」として使用されるに至り、
腹部所見のみで於血の有無を判断する風潮まで生じた。
ここでは、「於血の証」の意味で「於血」を使用し、腹部臍周囲の固まりは、「腹部於血塊」とする。
腹部於血塊の原因は、「慢性的な下腹部血流の悪さ」であると考えられる。

腹部於血塊については、高名な、湯本求真先生、大塚敬節先生、さらに、私が、株式会社ツムラ在席時に、
篠原精一先生と共に大変お世話になった、富山医科薬科大学の寺澤捷年先生らが、
それぞれ「非生理的血液」、「停滞せる血液」、「骨盤腔内の諸器官のうっ血、炎症、虚血などとの関連」
と考えているが、その本態は明確にされていない。
しかし、腹部の臍の周囲や下腹部に触診上独特の腫脹(腹部於血塊)が触れたり、
同部に圧痛がある場合は、於血の証である可能性が高く、於血を想定して治療に当たることは最重要である。

さて、於血の全身的な症状は、身体の痛みや腫瘤、冷え症などであるが、
婦人科では、月経不順や月経困難症、無月経、切迫早流産、子宮筋腫、子宮内膜症の疑い、卵巣機能不全などがある。
また、不妊の際にも出現するとされ、不妊症を診察するときには重要な所見である。

富山医科薬科大学の寺澤捷年先生らの診断基準を下記に示す。

「於血」の診断基準

                   男       女
 眼輪部の色素沈着     10       10
 顔面黒色            2        2
 皮膚のさめ肌         2        5
 口唇の暗赤化         2        2
 歯肉の暗赤化        10        5
 舌の暗紫色化        10       10
 細絡               5        5
 皮下溢血            5       10
 手掌紅斑            2        5
 臍傍圧痛抵抗(左)      5        5
          (右)     10        10
          (正中)    5         5
 回盲部圧痛・抵抗      5         2
 S状部圧痛・抵抗      5         5
 季肋部圧痛・抵抗      5         5
 痔疾              10        5
 月経障害           −        10
  合計             93       101

 判定  20点以下:非於血病態
      21点以上:於血病態
      40点以上:重度於血病態

C痰湿
痰湿は実証である。
この不妊は、肥満体質で痰湿が子宮をはじめ身体に滞り、
任脈や衝脈の気血の巡りが低下し、妊娠しづらくなった状態である。
『丹渓心法』巻之二十一「婦人門 下 子嗣」に、
肥満の婦人で、暴飲暴食の人は、月経不順で、妊娠しづらく、肥満のために子宮が閉鎖されてしまっているので、
痰湿を取り除かなければならない、とある。
肥満傾向で、筋肉に力なく、汗をかきやすく、疲れやすく、色白の肌で湿った感じが強く、
無月経や月経不順で白帯下が多いなどが特徴である。

D男性不妊について
古典における男性不妊の原因として、
『脈経』には「精気清冷」、
『医学入門』には「清冷」とあり、
『諸病源候論』には「虚労清少候」とある。
すなわち腎気が不足している状態である。
身体虚弱体質で、痩せていて、顔に色つやもなく、無力感が漂い、息切れしやすく、
腰や膝がだるく、歯が弱く、脱毛、頻尿などがみられる。
先天的な虚弱体質のこともあるが、慢性病・大病による消耗・疲弊などによると考えられる。
精液検査で、精液の量が少なかったり、精子の数が少なかったり、
精子の活動性が落ちているなどの状態が推定される。


東洋医学的な鍼灸治療

鍼灸で不妊症の治療を行う場合には、
婦人科に影響が大きい下腹部や腰仙椎部(子宮、卵巣)への治療が大事になるが、
全体的な治療では、下腿部のむくみや緊張への治療を目的とした下腿の三陰経への治療や、
一源三岐の考え方に基づいた任脈、督脈、衝脈の奇経治療と指圧も良い。



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