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性養生(ようせい)の法



東洋医学では、セックスすることは、生命の誕生を意味し、生命の根元である「先天の元気」と結びつけられ非常に重要視されている。

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さて、ここで、東洋医学の古典、『神仙伝(しんせんでん)』に、大変興味深いお話しがありますので、ご紹介させていただきます。

 昔々、河南省の陳という所に、采女(さいじょ)という、美人でスタイルもよく、それでもって、たいへんお料理の上手な女性が住んでおりました。特に、采女の造るお酒の味はたいへんよかったといいます。

 ある時、一人の仙人がこの地に立ち寄り、采女の作ったお酒を飲みました。仙人は、名を彭祖(ほうそ)と言いましたが、年齢は二百七十歳なのに、見た目には、せいぜい五、六十歳のようでありました。その彭祖は、采女の造るお酒と気立てのよさを大変気に入り、毎晩のように通っていたといいます。

 それから、少したって、采女と彭祖は大変仲良しになりました。そして、彭祖は采女のほほ笑みに隠されたせつなさのようなものを感じるようになりました。采女は16年くらい前にすでに結婚していましたが、子供はありませんでした。

 采女の夫は、働き者というよりも、読書を好む知的な人物であり、見た目にも美形でやさしそうな好人物でした。

 そこで、彭祖は、この地を去る前日に、采女に身分を明かし、「何か悩み事があるなら話してみてはもらえまいか?」と言いました。采女もこの老人が、あの有名な仙人、彭祖(ほうそ)と知って悩み事を正直に話すことにしました。

 采女は言いました。「私は、夫を心から愛しております。夫も、真面目で、私にはいつもやさしくしてくれています。しかし、私たち夫婦には子供ができません。私は子供がほしいのです。」

 すると彭祖は言いました。「子供ができないにも、いろいろ訳があろうが、夫は貴女を愛してはくれないのですか?」

 采女は答えました。「いいえ、夫は、毎日、夜になると、私にやさしくキスをしてくれます。そして、私の上になり、やさしく、やさしく抱擁をしてくれます。そして、ぐっすりと寝てしまいます。」

  彭祖は尋ねました。「夫が、貴女の上で、やさしく、やさしく抱擁してくれる時、夫はずっと元気なのですか?」

 采女は言いました。「いつも始めは元気なのですが、すぐにさめてしまい、最後までいかないみたいです。」 采女はさみしそうに続けて、「夫は、毎日、仕事で疲れているのでしょうか? それとも、私に魅力がないのでしょうか? 夫は、私を本気で愛してはいないのでしょうか?」

 彭祖は言いました。「なるほど、なるほど、おおよそのことは分かりました。貴女に魅力がないとは思えません。きっと、夫はすごく繊細な方なのでしょう。」 彭祖は、大きくうなずくと、続けて言いました。「実は、私は、以前、天空の仙人より東洋医学の聖書、五巻を授かりました。この書には、命を養う五つの方法が書いてありました。その中の一つに、性を養う交接の法と薬物の法というのがありました。それを、貴女にお見せいたしましょう。」 彭祖は、そう言って、一冊の本を采女に渡しました。

 采女は、それを注意深く読み、要点を書き取って、よく練習し、うまく薬を造りました。采女は、薬の用法、用量をよく守り、朝、昼、晩の食事に混ぜて、毎日、うまく夫に飲ませました。

 こうして1週間が過ぎました。夜になり、夫は、いつものように、やさしく采女にキスをしました。そして、采女の上になり、やさしく、やさしく抱擁をしました。そして、ぐっすりと寝てしまいました。 采女は、いつもしているように寝ている夫の下腹部に手を伸ばして元気かどうか確認をしました。すると、驚くことに、いつもは、さめて、小さく、柔らかく、かわゆくなっている夫が、今日は、まだ、まだ、たくましく、ずっと元気なままでいることに気づきました。さらに驚くことに、今日の夫は、いつもより大きく、太く、堅く、熱くなっていました。 采女は、本に書いてある通りの効果が出てきたんだと思いました。采女はうれしくなり、自分も練習の成果を発揮しなくてはいけないと思い、夫の上になり、本に書いてあることを一つ一つ試みました。

 こうして、また1週間が過ぎました。夜になり、夫は、やさしく采女にキスをしました。そして、采女の上になり、やさしく、やさしく抱擁をしました。しかし、今夜の夫は、抱擁を止めようとせず、何度も、何度も繰り返すようになりました。采女も、夫が抱擁を繰り返す度に、夫の下腹部に手を伸ばして確認をしました。しかし、夫は、いつまでも、いつまでも、たくましく、ずっと元気なままでした。それから、夫は、毎日、毎日、最後までいくようになりました。

 こうして、3ヵ月がたちました。采女は42歳、夫は58歳でしたが、二人とも、ぐっと若返り、見た目には20歳ぐらいの夫婦のようになっていました。 数年後、再び彭祖が訪ねてきた時、采女は3人の子供の母親になっていたといいます。



 養生医学の古典に、自然界に存在する生物の寿命を克明に記録した書物があり、そこに人間の寿命は平均100〜125歳とはっきり書かれています。 養生医学の世界では、人が百歳以上生きられるのは自然の法則になっているようです。人間には元来長寿の素質が潜んでいるわけです。ですから、今こそ、私たちはこの素質をどのように発揮させるかを、真剣に考えるべき時なのです。



天空の仙人(八仙石壁)
大山漢方堂薬局 所蔵
「八仙石壁彫像」






黄帝内径「病は気から生じる」

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