大山宗伯東洋医学記念館 展示品
(明治時代の往診用薬箱④)
大山漢方堂薬局 所蔵 蘭方医の薬箱
薬瓶、薬箱、乳鉢、乳棒、棒秤、メスシリンダー
外箱、中箱(革ベルト付)、薬箱(金唐革)
江戸末期~明治期















































大山宗伯東洋医学記念館 展示品
(明治時代の往診用薬箱④)
大山漢方堂薬局 所蔵 蘭方医の薬箱
薬瓶、薬箱、乳鉢、乳棒、棒秤、
外箱、中箱(革ベルト)、薬箱(金唐革装)
江戸末期~明治期

上段:四角小瓶41個、丸瓶1個 在中
二段:ビロード薬布団
三段:薬包紙用圧尺2個、棒秤2個
下段:四角大瓶19個、木箱5個、在中
メスシリンダー1個、乳鉢1個、乳棒1個


江戸時代の往診用薬箱 解説

医師が往診先に持って行く薬箱は、診療に必要な器具類や薬を収納したもので、もともと薬籠(やくろう)と呼ばれた。
医師は駕籠に乗って、お供のものが後ろから薬箱を持って往診先へでかけた。

鎌倉時代初期には、医師は小さな紙袋に薬種を入れ、それを箱に収めて携帯していた。
薬箱は、医師の位、技術力の高さを表すため、実用的でありながら、細工や意匠にも凝り、工芸品としての美術的価値のあるものまで作られた。


薬箱の構造は、数段の抜き引き出しのあるもの、重箱のようなもの、小型の百味箪笥のようなものなどもある。

所有者である医師が独自の処方をしやすいように、中の小箱に小さな紙袋や、必要な薬が収納できるような工夫がされている。

薬箱の使い方は流派によって異なっていた。


例えば一段目に、作用の強い薬、二段目に、少し強い薬、最下段には、頻繁に使う薬を入れる。という具合である。

常用の薬以外に、薬を調合するため薬匙(やくさじ)、薬包紙を押さえるための圧尺(あっせき)なども薬箱に入れられた。

明治時代に入ると、医師免許制度が変わり、西洋医学を学んだ医師が、まず第一、ということで、漢方医は、衰退し、西洋医が増えていく。

薬も、同様に、西洋の薬を用いるようになり、液体の薬や粉末の薬を入れるガラス瓶が増え、それを持ち運ぶのに便利な薬箱が作られた。

ガラス瓶は箱の升目にぴったり収まるように、角が四角の瓶になっている。

この時期になると、メスシリンダー、メスカテーテル、注射器など、現代でも、おなじみの医療用具も出現してきた。


   

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