臨床心理(精神分析、心と身体の健康調査) 

クライアント=佐倉律子(さくらりつこ)さん 仮名 50歳 女性 求職中 検査実施日2022.10/23.

健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、
肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあること。


(Ⅰ) CMI(肉体的、精神的、社会的に、健康度を評価する)

クライアントの総合判定: 領域Ⅳ 神経症と考えられる(病的ある)
今後の対応: 何らかの対処(治療)が必要(特に、精神的、社会的、そして肉体的、3つの問題を早急に解決する必要がある。)

CMI各論: 健康度を、細部にわたり評価する。
評価基準: 完全なる健康 0%。②健康 1~30%
③未病、30~50%、50~70% 東洋医学の適応
④病気 70~100% 東洋医学、西洋医学の適応

未病とは、「発病には至らないものの健康な状態から離れつつある状態」 「発病には至らないものの軽い症状がある状態」
自覚症状はなくても検査で異常がみられる場合と、自覚症状があっても検査では異常がない場合がある。

クライアントの身体面 = 総合評価、病気ではないと考えられるが、病気になる可能性大(身体の弱点あり)
病的:70%以上、
①既往症(72%) = 病的、重度の既往(30歳=子宮内膜症手術、42歳=子宮頸がん診断ステージ0?) = 再発予防、定期検診
病気に移行~未病(重度)50~70%
②呼吸器(67%) = のど、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、のどの痛み、扁桃腺、風邪、たん(喀血)、寝汗
③目と耳(60%) = 眼精疲労(近眼、かすむ、赤目)、耳鳴り、耳垂れ
④消化器(58%) = 胃弱(げっぷ、胸やけ、逆流、胃痛、下痢)
⑤泌尿器、生殖器(54%)、= 子宮内膜症、子宮頸がん履歴(再発予防、定期検診)、発汗、頻尿 = ホルモンバランスが悪い
⑥心臓、循環器系(50%) = 動悸、不整脈、息苦しい、手足の冷え、むくみ = 自律神経、代謝が悪い、

クライアントの精神面 =
病的:70%以上、神経症、病的である。
①神経過敏(83%) = 病的、重度の過緊張状態である。=、神経過敏で、心をキズつけやすく、感情を害しやすい。誤解されやすい。
②過緊張(78%) = 強迫観念、理由のないおびえ、悪夢、冷汗、落ち込み
③不適応(75%)= 行動、判断、仕事、生活の問題に対するミスが多い。= 冷静さ、正確なアドバイスをくれる人が必要。
④不安(55%) = 不安神経症(神経質、ノイローゼ、思い悩む、気にしすぎる、将来が不安。
⑤抑うつ(50%) = 軽度のうつ状態 = 憂うつ、自殺傾向。

クライアントの東洋医学的評価(気血水のバランス)
気) メンタル=  神経過敏、過緊張、不適応、不安、抑うつ = 東洋医学(漢方薬・鍼灸)、臨床心理カウンセリング、コーチングの適応
血) 循環器系=動悸、不整脈、息苦しい、手足の冷え、むくみ = 自律神経、代謝が悪い = 東洋医学(漢方薬・鍼灸)の適応
水) 泌尿生殖器系 = 子宮頸がん履歴(再発予防、定期検診)、発汗、頻尿 = ホルモンバランスが悪い = 東洋医学(漢方薬・鍼灸)の適応

東洋医学=健康を維持増進させる医学、未病を治す、病気を治す(健康を取り戻す) 経験的
西洋医学=病気を治す(健康を取り戻す、命を維持させる=手術) 科学的

(Ⅱ)ストレス耐性度チェック
判定基準 20-40(ストレスに弱い)、40-50(標準)、50-80(ストレスに強い)
クライアントの得点 57点=(ストレスに強い) → よいです。 このままで問題なし。

(Ⅲ)ストレス度チェック
判定基準 0-5(ストレスがほとんどない)、8-10(軽度)、11-20中度、21以上(重度)
クライアントの得点 19点=(中等度のストレス状態)= このままでいると、本格的なストレス状態に陥る危険性大、慢性的なストレスがつづいている。
ストレス症状19点の分析
①ストレス初期に現れる症状(手足の冷え、眼精疲労、めまい、立ちくらみ、肩こり、腰痛、寝起き、多夢) = 東洋医学(漢方薬・鍼灸)の適応
②ストレス後期(慢性的)に現れる症状(風邪、息苦しさ、口内炎、胃腸が弱い、下痢、疲れやすい、体重減少) = 東洋医学(漢方薬・鍼灸)の適応

(Ⅳ)SDS  抑うつ度チェック
判定基準 23-47(正常)、39-59(神経症)、53-67(うつ病)
クライアントの得点 42点 軽度の神経症(正常範囲) = 東洋医学(漢方薬・鍼灸)、臨床心理カウンセリング、コーチングの適応

(Ⅴ)TA(交流分析)、TEG(エゴグラム) 自分自身を知り、対人関係を円滑にする方法
エゴグラム 5つの自我状態、行動パターンの解説
CP(批判的な父親の自我))=父親の影響をそのまま取り入れた心の状態、行動パターン=厳しさ、先入観、偏見、理想の追及、
NP(養護的な母親の自我)=母親の影響をそのまま取り入れた心の状態、行動パターン=やさしさ、愛情、他人への思いやり、献身的
A(大人の自我)=成人としての客観的な心で、現実を認識し、物事の判断をする心の状態、行動パターン=客観的理解、現実的判断、情報の収集、分析、冷静、沈着、合理的
FC(自由奔放な子供の自我)=本能的な、自由奔放な子供の心の状態、行動パターン=明るい、天真爛漫、わがまま、本能的、衝動的
AC(順応した子供の自我)=親の顔色を伺う、順応した子供の心の状態、行動パターン=協調的、依存的、自信喪失、自責の念、ひねくれる、自分のからに閉じこもる。
D(偏倚尺度:社会的逸脱)=ある社会の社会的規範から逸脱(または偏倚(へんい)した行動をいい、偏倚行動ともいう。
社会的規範は多様であるが、その内容は、法律、モーレス(習律、集団内の行動基準)、「ルールから外れた望ましくない行動」
慣習などが含まれ、さらに、道徳、伝統、礼儀、流行などが含まれる。
「ルールから外れた望ましくない行動」
Q(疑問尺度)テストに対する応答態度や防衛反応:質問をよく理解して回答したか、正直に答えたかを判断する。

「和」を重んじる日本人(女性)のアベレージ(円満パターン)は、
NPを頂点(80%)とする「へ型」 = 対人関係のトラブルが少ない。

クライアントのエゴグラム・パターン分析
CP 1点(4%)
NP 12点(30%)
A  12点(65%)
FC 11点(47%)
AC 16点(97%)
ACを頂点とするN型
D 12点(13点以上が正常)=社会的逸脱が60%の信頼度で認められる。
 → 人間不信、社会不信が認められる。世の中の不条理を何らかのかたちで経験している。
Q 12点(35点以下が信頼できる回答)=テスト結果は、信頼性80%で、信頼できる。

①AC(97%)=クライアントの一番の特徴は、気配りの余さと我慢強さ。
物事に批判的ではなく、どちらかというと人を受け入れるタイプ。
人を責める事は、あまりない。 自分が譲れば丸く収まると、他の人の意見を受け入れることも多い。
②CP(4%)=弱点は、責任感に縛られない(責任感があまり強くない、規則に縛られない、ある程度自由)ため、
自身の高い目標に向かって行動していくことが苦手(自身の高い目標が決められない)
組織に入ると、まわりに出来るだけ合わせようとするので、振り回されてしまいがち。
同僚に、気を使いすぎると、自身の目標を、見失い、精神的な疲れがたまってしまう。

クライアントへのアドバイス:
自身の感情を、もっとうまく表現して、表に出すこと。
自身の本当にしたいことを楽しんですることが重要。
これが、ストレス解消につながり、人生が楽しく有意義なものになる。
まず、自身の目標をしっかり決めて、それに向かって努力することで、
あなたの魅力は増していき、もっと幸せな人生になる。

自身の目標が、なかなか決められない、目標に向かって努力する方法が、見つけられない場合は、
→ 臨床心理学的手法(カウンセリング、コーチング、メンタルトレーニング)を用いて、自己改革が必要と考える。

(Ⅵ)OKグラム 基本的な構え
OKグラム 4つの基本的な構えの解説
① I I am OK, You are OK.(自己肯定、他者肯定) = 私も、あなた方も、みんな良いところがある。
② I am OK, You are Not OK.(自己肯定、他者否定) = 私は、いつも正しいが、あなた方、みんなは、ダメ。
③ I am Not OK, You are OK.(自己否定、他者肯定) = 私はダメだが、あなた方、みんなは、優れている。
④ I am Not OK, You are Not OK.(自己否定、他者否定) = 私もダメ、あなた方、みんなもダメ(世の中のすべてがダメ)
OK 肯定的=有益、安心感、価値がある、好意を持っている。愛されている。
Not OK 否定的=役に立たない、安心できない、嫌われている、愛されていない。

クライアントのOKグラム・パターン分析
① I I am OK.(自己肯定)= 12点
② I am Not OK.(自己肯定)= 10点
③ You are OK.他者肯定) = 8点
④ You are Not OK.(他者否定) = 12点
クライアントは、I am OK, You are OK.((自己肯定、他者肯定)
私も、あなた方も、みんな良いところがある = 問題なし

ただ、クライアントのエゴグラムとの対比を考えると、I am Not OK.(自己肯定)の部分、AC(順応した子供)の部分で逆転が見られ、
この部分で、Dスケール(社会的逸脱)との対応が考えられる。
 → 人間不信、社会不信が認められる。世の中の不条理を何らかのかたちで経験している。
できるなら、臨床心理学的手法(カウンセリング、コーチング、メンタルトレーニング)を用いて、自己改革が必要。

結論:
クライアントの佐倉律子(さくらりつこ)さんは、
まず、肉体的には、30歳=子宮内膜症手術、42歳=子宮頸がん診断ステージ0?を患い手術を受けたことから = 再発予防、定期検診は必要と考えられる。
また、身体上の弱点(未病状態)は、①呼吸器②目と耳③消化器④生殖器、泌尿器⑤心臓、循環器と、臓器のかなりの疲れが見て取れる。
→ できれば東洋医学(漢方薬、鍼灸、経絡治療他)の力で、未病を直して、健康を取り戻してほしい。
また、精神的には、神経症であり、うつ状態に陥っている可能性が強く、病的である。
①神経過敏(83%)②過緊張(78%)③不適応(75%)④不安(55%)⑤抑うつ(50%)
ただし、クライアントは、社会的、精神的なストレスに強く、今までの経験から、うまく対処できると考えられるが、
年齢的にも更年期の後期に入る時期なので無理は禁物である。 無理をすると60歳以降にガクンとくる。
→ 臨床心理学的手法(カウンセリング、コーチング、メンタルトレーニング)を用いて、精神面の健康を取り戻してほしい。

以上のように考察する。


臨床心理学 ヘルスサイエンス佐野 「こころの健康相談室」
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